3DEXPERIENCE Works Simulationの活用とCloud Servicesの利便性の話
11月の紅葉が過ぎ去り、師走が近づいてきました。
皆様はいかがお過ごしでしょうか。
学生の方々は受験に向けた準備に励んでいることでしょう。
一方、社会人の方々は来季に向けた計画を立てたり、今季の仕事納めに向けて忙しく過ごしていることと思います。
私もこの時期は、仕事に加えて毎週末の飲み会に追われています。
仕事の疲れを週末の美味しい食事とお酒でリセットし、年末まで駆け抜けたいと思います。
さて、今月は3DEXPERIENCE Works Simulationについてお話ししたいと思います。
3DEXPERIENCEは、フランスのソフトウェア企業ダッソー・システムズ（Dassault Systèmes）によって開発されたクラウドベースのプラットフォームです。
2012年に発表されたこのプラットフォームは、ダッソー・システムズの製品群を統合し、ユーザーがデザイン、シミュレーション、コラボレーションを一元管理できる環境を提供しています。その中でも特に注目されるのが、3DEXPERIENCE Works Simulationです。
このシミュレーションツールは、1997年にダッソー・システムズに買収されたSOLIDWORKS社が提供しています。SOLIDWORKSのブランドは維持されていましたが、2024年7月1日付けでSOLIDWORKSはダッソー・システムズと経営統合し、完全子会社となりました。 この統合により、SOLIDWORKSの技術と3DEXPERIENCEプラットフォームがさらに密接に連携し、ユーザーにとってより統合されたソリューションが提供されることになります。
特に注目すべきは、2023年7月以降にSOLIDWORKSの新規ライセンスを購入したり、更新版のサブスクリプションを取得した方がCloud Servicesを利用できるようになったことです。
この新しいサービスに対して、「これは何だろう？」「登録しないとSOLIDWORKSが使用できなくなるの？」と不安に感じている方も多いかもしれません。
しかし、ご安心ください。
Cloud Servicesで利用できる3DEXPERIENCEとSOLIDWORKSは別のツールとして提供されるため、SOLIDWORKSはこれまで通り使用でき、さらに新たにクラウド上の機能も利用できるようになります。
では、クラウド上で具体的に何ができるのでしょうか。
まず、3DEXPERIENCEプラットフォームへの登録が必要となります。
登録を行うことで、インターネット接続があれば、PCやスマートフォン・タブレットから柔軟にアクセスできます。
クラウドサービスの利点の一つは、自社サーバーの購入や構築が不要なため、初期投資を抑えられることです。
また、クラウド上でのデータ管理により、関係者がリアルタイムで情報を共有できるため、迅速な意思決定が可能になります。
そして、多くの方が懸念されるセキュリティ問題についても安心してご利用いただけます。データのバックアップやセキュリティ対策がしっかりと施されていますので、データ損失や漏洩のリスクはありません。
そしてSOLIDWORKSでSimulationを使用している方々に朗報です。
3DEXPERIENCE Works Simulationは、解析用のロールを追加することでSOLIDWORKSと連携し、高度な解析を実現します。解析タイプごとにSRD/SLL/SFO/SSUといったロールが区分けされており、それぞれの特性に応じた解析が可能です。興味深いのは、これらのロールが共通してAbaqusソルバを使用していることです。
特に最上位版のSSUロールでは、陰解法だけでなく陽解法も利用できるため、より多様な解析手法を選択できます。さらに、SOLIDWORKS Simulationでは実現できない衝突解析や多段解析といった高度な機能も備えており、設計者やエンジニアにとって非常に魅力的です。
これらの機能を活用することで、実際の現象をより正確に考慮した解析が可能となり、設計や開発の精度を飛躍的に向上させることができます。
より複雑な現象を解析したいと考えているのであれば、3DEXPERIENCE Works Simulationへのステップアップをを是非ご検討ください。
また、弊社では3DEXPERIENCEプラットフォームの管理者設定やSRD/SLL/SFO/SSUに関する講座を用意しています。お客様がスムーズにご利用いただけるようサポート行っておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。